チャリギョ!

「チャリンコ」行政書士の事件簿

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委任契約の効力。

2012.09.12 (Wed)


…予め親と委任契約を結んでおけば、親が死んだ後も子の財産管理って出来るの?

ある日そんなことを聞かれたんだけど、いやいや委任契約は終了じゃないっすかって答えたら、弁護士が講義の中でそう言ってたんですって。しかも公証人連合会のホームページにも同じような説明が出ているというので、気になって見てみました。

Q.自分が死んだ後,障害を持つ子供のことが気がかりですが,それに備える方法は
 ないでしょうか?


ほぇ~。本当だ。そんなのもアリってどういうことかいな。ということで、ちょっと整理します。

そもそも委任というのは、民法が定める13典型契約のひとつ。僕が勉強した時は、請負や寄託と同じ「労務の提供」の仲間に入れて憶えていました。大雑把~。

第643条(委任)
 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。


これは契約当事者の意思表示のみで成立する諾成契約で、通常は無償の片務契約となります。報酬を設定する場合は双務契約ですね。そしてこの委任契約。どのような時に終了するのでしょうか。

第653条(委任の終了事由)
 委任は、次に掲げる事由によって終了する。
 1.委任者又は受任者の死亡
 2.委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
 3.受任者が後見開始の審判を受けたこと。


ですから、今回の場合や上記リンク先に当てはめると、親が死亡した時点で委任契約は終了となるはずです。ただ、この条文は強行規定ではなく任意規定。委任者が死んでも委任契約は終了しないという特約を付けることが出来るんですね。死後の短期的な事務処理、例えば入院費や施設利用料の精算とか、葬儀や埋葬の死後事務を委任する死後事務委任契約というのは、この特約を付すことで実際に私も受任していますし、最高裁も「653条はこのような合意を否定するものではない」と判示しています(最判平4.9.22)。

でも、これが長期的な事務となった場合は難しいんじゃないっすか?財産権は相続発生と同時に移転する訳ですから、今回の場合だと親が死んだ瞬間に財産権は子に移っていることになります。なのに亡き親との委任契約の効力を継続させて子の財産を管理し続けるってのは、どうなんでしょう。そっちの方が法的根拠に無理があると思うし、逆に子の利益に反することにもなり兼ねません。法的に不安定な状態のままよりは、親亡き後を見据えて早めに法定後見の利用を検討すべきだと僕は思います。

ちなみに今回紹介した公証人連合会ホームページの当該箇所は、任意後見を中心に公正証書や公証役場の活用が前提でまとめられているようなので、こんな感じの偏った内容になっているのかも知れませんね。任意後見契約の箇所もそうだけど、でも案外誤解を与えそうな内容の記載もあって、何だかおっかない。

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ひとこと

田原 亮

Author:田原 亮


ゆい生活法務事務所 公式ブログ
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