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チャリギョ!

「チャリンコ」行政書士の事件簿

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感謝の一歩。

2011.10.18 (Tue)


余命幾許もないAさん。最初にお会いした時、既に点滴による鎮痛剤投与がスタートしていました。この先もう長くない。公証人との調整に必要な時間を気にしながらの支援です。

Aさんには配偶者がいません。子もいません。親兄弟も既にいない。Aさんの関係者は、以前から遺言するよう勧めていたのだそうです。しかしAさんは「まだ先の話」と取り合わず、気が付いたら今、ベッドの上にいるという状況。自分の亡き後に備えるということ。その大切さは分かっていても、いざ自分のことになるとなかなか…。Aさんとの出会いを通じて、改めて思います。

Aさん曰く「ずっと気にはなっていたんだ」と。そんなAさんからの依頼を正式に受け、Aさんとの対話が始まります。何回も病院へ足を運び、Aさんの言葉に耳を傾け、Aさんの体力にも配慮しながら対話を重ねました。

遺言するということは、今までの人生を振り返る作業でもある。僕はそう思っています。色々な思い出や感情が沸き起こります。忘れていたことを思い出すなんてことも多い。Aさんの場合もそうでした。対話を重ねる中で、その揺れ動く気持ちに触れ、そして思いがけない一言に接することになります。結果、Aさんは遺言することのないまま意思疎通が困難となり、その数日後に息を引き取りました。

訃報に接し、Aさんとの対話を思い返しています。

遺言は本人の最終意思の表示手段。その最期の意思表示を、僕は十分に引き出せたのだろうか。もっと良い方法があったのではないだろうか。一方でこうも思います。ジックリと向き合ったからこそ、あの一言に接することができたのではないだろうか。だったら、遺言に至らなくて良かったのかも知れない。

Aさんと対話することが出来ない以上、答えはありません。しかし、Aさんとの対話は僕の心に刻まれ、これからの糧となる。次への一歩は、出会った人々から教えられ、そしてはじめて積み重ねることが出来る感謝の一歩でもある。

Aさんとの出会いに感謝すると共に、心からご冥福をお祈りします。

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ひとこと

田原 亮

Author:田原 亮


ゆい生活法務事務所 公式ブログ
「チャリギョ!」へようこそ。
タイトルはただのパクリです(笑)。
楽しみながら更新したいと思います。

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