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チャリギョ!

「チャリンコ」行政書士の事件簿

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遺産分割と相続放棄。

2012.08.15 (Wed)


「いやぁ、実は相続放棄したんですよ。」

・・・と伺うことがあります。でも、よくよく聞いてみると相続の放棄をした訳じゃないんですよね。

第938条(相続の放棄の方式)
 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。


とありますので、相続放棄=家裁への申述が必要ということになります。放棄したと思いこんじゃう場合っていったい?例えばお兄さんAと弟Bの場合・・・

 A「家を継ぐ代わりに、遺産は俺が全部相続する。唯一の弟に迷惑はかけまい。」

 B「分かったよ兄貴…。この遺産分割協議書ってやらに印を押せばいいのかい?」

 A「ああ。これでお前は相続を放棄したことになる。あとのことは俺に任せろ。」


…これは「Aが遺産の全てを相続する」という遺産分割協議に応じただけであって、相続を放棄したということではありません。遺産の全てがプラスの財産だったらいいですよ。何にも問題にはなりませんが、これがマイナスの財産がある場合となると話が違ってきます。

相続される遺産は、権利だけでなく義務も含まれます。ですからプラスの財産だけでなく、マイナスの財産、つまり負債(債務)も相続する訳です。本人は相続を放棄した気になっていても、遺産分割協議が成立した後に債務が判明するということも可能性としては有り得ます。

こうなると一変しますね。相続財産の中でも債務は法定相続人が共同して相続するものですから、例えば「兄貴が全部相続したから、当然債務も全部兄貴だろ?」ってのは、兄貴同士の喧嘩のネタにはなっても、債権者には通用しません。

相続を承認するか、それとも放棄するか。これは相続を知った時から3ヶ月以内(熟慮期間)に決めることになります。逆に言えば、3ヶ月を超えると相続放棄出来なくなる(単純承認したことになる)ってことですな。

でもさぁ。最初っから債務の存在を知っていたら、そりゃ法が定めた通りにちゃんと相続放棄するよな…というアナタ。うん。確かに、遺産分割協議後であっても、債務を知った後に行われた相続放棄の申述を受理するよう示した判例があります。まぁ、それなりの背景があった訳ですが。しかし、類似の事案でも全く違う判断を下している裁判所もありますので、やっぱケースバイケースですね。

ということで、安易に遺産分割協議を済ませるのではなく、相続財産には債務も有り得るという視点を持って慎重に調査を進めることが大切かと思います。たまにあるんですよ。どうか慎重に、誰かに相談してくださいね。

…慎重と言えば。そう。3ヶ月の熟慮期間ではとても相続財産が調べきれない、承認か放棄かの判断が出来ない…という事情がある場合は、これまた承認・放棄の期間「伸長」を家裁へ申立てることができます。特別な事情で起算点に迷ったりすることがあれば、まずは家裁に相談を。伸長に慎重を重ねt(ゴメンナサイ)

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ひとこと

田原 亮

Author:田原 亮


ゆい生活法務事務所 公式ブログ
「チャリギョ!」へようこそ。
タイトルはただのパクリです(笑)。
楽しみながら更新したいと思います。

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